第14回 不定詞のつながりに気をつけよ

英文を読み解くコツ

次の文を訳してください。

The failure of the average man is due, not to lack of ability, but to lack of ability to concentrate, to expend all his energy in the cultivation of one marked talent.  (山口大)

「平均的な人の失敗は」が主語だね。その後は due toかな?dueはいくつか意味があったんで迷うけど、due toはよく見るからそれでいい?
確かに、dueは「正当な」、「期限が来た」、とか「予定である」など文脈で訳しわける必要がある単語だね。でも一番よく見るのはdue toで、「~が原因で」の意味だね。ここでもその意味でいいよ。ここでは形容詞だけど、前置詞句として、The train was delayed due to heavy rain.(電車はひどい雨のために遅れた)のように文のまとまりにもくっつけることができるんだ。
その後ろにカンマがあるけど、dueで区切っちゃいけないんだよね。後ろはnot A but Bで、AではなくBていうのを習ったから、「lack of abilityのためではなく、lack of ability to concentrateのためだ」という風につながるんだね。
そうだね。due toのtoは前置詞だけど、to concentrateのtoは動詞の原形が来ているから不定詞だね。その用法はわかるかな。
abilityにかかっているから形容詞用法だよね。集中するための能力、つまり集中力でしょ。
その通り。するとここまでの訳はどうなる?
「平均的な人の失敗は、能力の不足ではなく集中力の不足が原因だ」となるんじゃない。でもうしろにまたto不定詞が来ているけどどうつながるんだろう。費やすために、じゃおかしいしなあ。
そうだね。前の方に別の一般動詞があればそこを修飾している可能性があるけど、Be動詞だから、普通に考えるとabilityにかかっていると考えることが自然だね。
そうか。集中力や、エネルギー全部を費やす能力が不足しているってことか。
いや、すぐにそう考えない方がいいよ。カンマがある場合、ハル君のように並列的に訳す場合もあるけど、言い換えている場合も多いんだよ。つまり、集中する能力と言っておいて、それをわかりやすく説明している場合もあるんだ。それは内容を読まないとわからないね。
なるほどー。エネルギー全部を費やす能力って、確かに集中力のことだもんね。
そうそう。ここではわかりやすく言い換えていると考えるといいね。そういう場合は、「集中力、つまり~」とつなげていくと書きやすい。そうすると全訳はどうなるかな。
「平均的な人の失敗は、能力が不足しているためではなく、集中力の不足、つまり、一つの目立った才能の養成にエネルギーすべてを費やす能力が不足しているためである」となるんだね。つながり方を考えるのは難しいや。ありがとうございました。

まとめ:不定詞が名詞的用法ではない場合、どこを修飾しているのかを常に考えよ。カンマでつながっている場合は、並列的か(AそしてB)、補足説明か(AつまりB)も考えよ。

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