大谷選手が史上最高額の契約金でドジャーズに移籍しましたが、ドジャーズって、どういう意味でしょう?
今回はメジャーリーグの球団名についてのお話です。
ドジャーズ(Dodgers)はdodge(よける)という単語からできていて、文字通り「よける人」という意味です。
現在はロサンゼルスにありますが、もともとドジャーズはニューヨークのブルックリン地区にあった球団で、ブルックリン地区には路面電車が多く、それをひょいひょい避けながら歩く歩行者が多く見られたようです。交通整理がまだきちんとされていなかったのか、されていても信号を守らない人が多かったのかわかりませんが、ドッジボール(dodgeball)をイメージすると面白い光景ですね。
ドジャーズに匹敵する人気を誇るチームとしては、ヤンキース(Yankees)があります。ニューヨークを拠点としていますが、ニューヨークなどアメリカ北東部の住民をYankeeと呼んだことからついた球団名です。日本などではアメリカ人全体を指してYankeeと呼ぶことがありますが、本来は北東部出身のオランダ系アメリカ人を指していて、南部アメリカ人は蔑称として使用していたとのこと。南北戦争の名残があったのですかね。
Yankeeの語源ですが、もともとオランダ語のJan Keesから来ているそうです。JanはJohnの意味で、典型的なアメリカ人の名前であって、Keesはチーズ(cheese)のことらしいです。オランダ語でチーズは(kaas)なので、そこから派生しているのかもしれません。
オランダ系移民が乳製品を多く使っていたのかわかりませんが、「チーズ野郎」という呼んでいたということですね。ということは、このsは複数形のsではないので、ヤンキーと呼ぶのは本来は間違っていることになります。
同じニューヨークのチームでもメッツ(Mets)はmetropolitansつまり都会っ子という意味なので、ちょうど真逆で面白いですね。
シカゴを本拠地とするカブス(Cubs)もやや聞きなれない言葉ですが、cubは熊や虎の子供を意味しています。それ以外にも未熟な若者という意味があり、a cub reporterというと駆け出しの記者、という意味になります。
それにしてもなぜこのような弱そうな名前を付けたのか不思議です。カブスに変わる前の名前がオーファンズ(Orphans)つまり「孤児たち」だったので、あえてノリで弱そうな名前を付けたのかもしれませんが、一説によると当時ナショナルリーグだけしかなかった時に新たにアメリカンリーグが作られ、選手の多くをそちらに取られて若い選手だけになってしまったためとも言われています。
同じシカゴに本拠地を置くアメリカンフットボールの名門シカゴベアーズ(Chicago Bears)は、cubsの成獣版であるbearを使ったチーム名にしています。
何となく地域の連帯感が見られてこれも面白いですね。
アメリカのスポーツはどれも地域に密着しているので、盛り上がり方が日本の比ではありません。大谷選手がドジャーズで活躍して、ロサンジェルス中が湧く様子を一度目にしてみたいですね。