次の文を訳してください。
The building up of a taste for those books which genuinely discriminating readers have decided, generation after generation, are worthy of preservation, is gradual.
ポイント:関係詞節に挿入されたSVに注意する。
the building up of a taste がこの文の主語。tasteは幅広い意味があり、ここでは「質の良さを判断する力」の意味としておく。*She has refined taste in literature.
for those books whichのthoseは、後ろに関係詞が来るという目印のthatの複数形なので訳さない。
ここまでで、「~という本に対する質の良さを判断する力を作り上げること」という意味。
genuinely discriminating readers have decidedの部分まで見て、whichの先行詞をbooksとし、かつdecideの目的語とすると、~readers have decided the booksとなって、後ろのareに対応する主語がなくなってしまう。
そこでare worthy of preservationまで読むと、genuinely discriminating readers have decidedが実は挿入だったとわかる。
つまり関係代名詞whichは主格で、本来those books which are worthy of preservationという文であるが、whichの後ろにgenuinely discriminating readers have decidedが挿入されているのである。
例)This is the answer which I think is right. (これが私が正しいと思っている答えです)This is the answer とI think it is rightをつなぐために、itを前に出してwhichに変えた構造と同じ。
discriminating readersは、本の善悪を判断する力がある読書家の意味。
ここまでの訳は、「真に識別力のある読者が保存の価値があると決定した本に対して、その良さを判断する力を作り上げること」となる
generation after generationは、「何世代にもわたって」という意味。ここでは副詞的な働きをしてdecideを修飾している。
is gradualでやっとこの文の動詞が出てきた。主語はthe building up of a tasteなので、「判断力の形成が徐々に行われる」という意味である。
訳出例:本当に本の良さがわかる読書家たちが何世代にもわたって保存する価値があると定めた本を、それが良いものと理解する力は徐々に作り上げられるのである。