チャレンジ4

複雑な構文を読み解く

次の文を訳してください

A water molecule that finds itself on a blade of grass fringed with frost arrived there by a zig-zag path, the direction of its motion having been changed frequently and abruptly by collisions with other air molecules.  (京都大)

ポイント: カンマ以下をどのように訳していくか。 

a water molecule : 水の分子、これが主語。
that finds itself on a blade of grass : 関係代名詞のthatで水の分子を説明している。a bladeは笹のように鋭い葉の意味もある。find itself+場所は、無生物主語ということを考えると、草の葉に付いている、ぐらいの意味と解する。
fringed with frost : 霜で縁取られた
arrived there by a zig-zag path : ここが動詞になる部分。ジグザグの路を通ってそこに着いた。

ここまでの訳は、「霜で縁取られた草の葉に付いた水の分子は、ジグザグの路を通ってそこにたどり着いた」

the direction of its motion having been changed : もし、a zig-zag pathとthe direction of its motionを同格、つまりわかりやすく言い換えていると考えると、having以下は分詞の形容詞用法でthe direction of its motionを修飾するということになる。このように同格だとすると、「ジグザグの路、つまりその動きの方向を通って」というやや不自然な解釈となるので、ここでは独立分詞構文と考え、接続詞が省略されており、主語がthe direction of its motion、動詞がhave been changedと考えた方が自然。
(独立分詞構文の例)We’ll go hiking tomorrow, weather permitting.= We’ll go hiking tomorrow, if the weather permits.
では省略された接続詞は何だろうか、については後述。
frequently and abruptly by collisions with other air molecules : 「しばしば、そして突然に」という副詞と、by以下の部分(ほかの空気中の分子と衝突すること)も副詞の働きをしていて、どちらもhaving been changedを修飾している。

後半部分の訳は、「その動きの方向は、他の空気中の分子と衝突することによってしばしば突然に変更する」

省略した接続詞であるが、ジグザグの路を通って他の空気中の分子とぶつかった、というよりは、ジグザグの路を通る原因が他の空気中の分子とぶつかることにあると考えられるので、省略された接続詞は理由を表すものと思われる。
したがって、下から訳し上げて「~なので、~にたどり着いた」とするか、「たどり着いたが、それは~だからである」と訳し下していくかであるが、後者の方が読みやすいだろう。

訳出例霜で縁取られた草の葉に付いた水の分子は、ジグザグに進んでそこにたどり着いた。それというのも、水の分子の動きの方向は、他の空気中の分子とぶつかることでよく突然に変えられるためである。

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