次の文を訳してください。
No one could have foreseen, fifty years ago, that women were soon to do so much that men had thought they alone could do that to attempt to call attention to it would burden the language.
ポイント:3つあるthatはそれぞれどういう用法なのか。
1つ目のthatについて
No one could have foreseenは、仮定法過去完了で、「だれも予見できなかったであろう」。
fifty years agoは、これだけで、「50年前だったら」という意味をif節を使わずに表現している。
*The same man, living now, would be a hero.のliving nowも、「今生きていれば」という意味を分詞構文を使って表現している例。
次のthatは、foreseenの目的語を作るための接続詞のthat。
「女性がそれほど多くののことをやがてすることができるようになること」が目的語となる。were toはbe to構文の用法の1つで、「できる」の意味と解する。「するようになる」とも解せるが、その後のcouldとの対比からここでは敢えて「できる」と考える。
so much のmuchはここでは代名詞で「多くのこと」という意味。ただ後で見るように、副詞的なニュアンスも残っている。
2つ目のthatについて
so much that men had thought they alone could doの部分。
これは、muchを先行詞とする関係代名詞のthat。
men had thought が間に挿入されていて、ややわかりづらいが、they alone could doの目的語が欠けていることから判断する。「男たちが、自分たちだけができると思っていた多くのこと」
3つ目のthatについて
that to attempt to call attention to it would burden the languageの部分。
so~that構文を作る接続詞のthat。通常so~thatの「~」のところには形容詞や副詞が入るが、ここでは代名詞のmuchが入っている。先ほど述べたように、ここでは副詞的な意味合いが残っているためにこのような表現になっていると考えられる。「とても多くのことをできるようになったために」というニュアンスで、that以下に続いていく。
to attempt to call attention to itがthat節の主語。「そのこと(女性ができるようになったたくさんのこと)に注意を引こうとすること」
would burden the languageは「言語に負担を負わせることになるだろう」の意味。ここは前からの流ればわからないと難しいが、女流作家とか、女流棋士など女流とつければ女性形にできる日本語とは異なり、author(男性作家)に対して authoressという単語を作らなければいけなくなったことを意味している。
訳出例:
男性が自分たちにしかできないと考えていた多くのことをやがて女性ができるようになったので、その事実に注意を引こうとすることが言葉の足かせになってしまうとは、50年前にはだれも予想できなかったであろう。