第2回 動詞の働きに注意せよ

英文を読み解くコツ

次の文を訳してみましょう。

No one wants to have an accident.
The trouble is that people do not want hard enough not to have an accident.
(玉川大)

最初は、だれも事故にあいたくない、だよね。The trouble is that ~ は確か、問題は~とか、困ったことには~とか訳すんだったね。
そうすると、困ったことに、人々は事故にあわないぐらい十分強く望んでいないのだ、かな。なんか文は変だけど。
最初の文はその通り。2つ目はthatの後ろが違うかな。
people do not want hard enoughまで読んだところで何か違和感がない?
先生がI want very much.と言ったら違和感があるよね。
確かに。何が欲しいのかなって思う。
そうなんだ。wantは後ろに名詞が来て初めて意味を持つ動詞、つまり他動詞だね。その名詞つまりwantの目的語が何なのか、を考えなくてはいけないんだ。
そうかあ。でも後ろはenough to~の構文だから、~ぐらい十分にって訳すので合ってるでしょ?
学校でenough toの構文をさんざん習っているからそう考えるのも無理はないけど、さっきも言ったように、前の方からきちんと意味を取っていけば、wantの目的語を見つけようとすることが先なんだよ。
後ろに目的語になりそうなものはない?
あるとすると、to不定詞のところだよね・・・。そうか!not to have an accidentが「事故にあわないこと」という名詞的用法だと考えるとつじつまが合うぞ。enough toじゃなかったんだね。そうすると、困ったことに、人々は事故にあわないことを十分強く願っていないって意味になるってことか。
その通り。よくわかったね、ハル君。
enough toの方に先に目がいくとさっきのような読み間違いをするから、目的語を取る動詞を見たら、必ず、何を?と考えるようにしようね。

まとめ:文は必ず上から意味を取っていこう。動詞を見て、それが目的語を必要とする動詞ならば、目的語になりそうな名詞(または名詞句、名詞節)を探しながら読んでいこう。

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